噛む・叩く——まだ言葉で伝えられないときのサイン
「噛んだ」「叩いた」「ツバを飛ばした」「服をめくった」…
園での連絡帳に書かれたら、思わず心配になる言葉です。
でも、未満児〜年少さんの“ちょっと困った”には、必ず理由があります。
それは乱暴や悪意ではなく、まだことばや感情をうまく使えない中で生まれる行動。
つまり、成長の通過点でもあるのです。
このシリーズでは、4つの「園あるある困りごと」を取り上げ、背景と対応のヒントをお伝えします。
「やめさせる」ではなく、「どう受け止めて、どう教えるか」。
そんな視点で一緒に考えてみませんか?
第1話
噛む・叩く——まだ言葉で伝えられないときのサイン
園でよく聞く「噛んだ・噛まれた」「叩いた・叩かれた」という出来事
まだ語彙が少ない未満児・年少さんにとって、これらは単なる乱暴ではなく「伝える手段のひとつ」です
なぜ噛む?なぜ叩く?
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「やめて」「ちょうだい」などが言えないとき、手や口が先に出る
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瞬間的な感情の爆発(驚き・不満・興奮)
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相手の反応が面白いから繰り返すことも
どう関わる?
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予防する
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イライラのサイン(表情・声のトーン)を先読み
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噛みつきが起きやすい状況(おもちゃの取り合い、密集)を減らす
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代弁する
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「○○が欲しかったんだね」「嫌だったんだね」と気持ちをことばにする
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安全を確保する
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噛まれた側のケアを最優先
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噛みつきや叩きは、やめさせたい行動であると同時に、感情と言葉をつなぐ学びのチャンスです