子どもが物を投げる・ひっくり返すのはなぜ?遊びと発達の深い関係

「また投げた…」「全部ひっくり返した…」ついイラッとしてしまいますよね

おもちゃをポーンと投げる
積み木をガシャーンと崩す
ごはんをわざと床に落とす…

大人から見ると、
「わざと?」「ふざけてる?」
と感じてしまう行動かもしれません

でも、未満児〜年少さんのこの行動にも、
しっかりとした“発達の理由”があります


このシリーズについて

このシリーズでは、
園や家庭でよく見られる「困りごと行動」をテーマに、

  • なぜ起きるのか

  • どう関わるとよいのか

をお伝えしています

「やめさせる」ではなく、
「育ちにつなげる関わり方」を一緒に考えていくシリーズです


第2話|物を投げる・ひっくり返す——遊び?反抗?

大人には「困った行動」に見える
投げる・崩す・ひっくり返す という動き

でも実はこの行動、
この時期ならではの “学びのかたまり” でもあるのです


子どもが物を投げる・ひっくり返すのはなぜ?

この行動の背景には、こんな理由があります

  • 因果関係の実験
     「投げたらどうなる?」「落としたらどうなる?」という
     小さな科学実験

  • 音や動きの変化が楽しい
     大きな音、バラバラになる様子が刺激になる

  • 注目してほしい気持ち
     反応してもらえることで「見てくれている」と感じる

つまりこれは、
❌ イタズラ
ではなく
好奇心と学びの表れ
なのです


物を投げる・ひっくり返すのは発達的に大丈夫?

結論からお伝えすると、
多くの場合は発達の通過点として自然な行動です

  • 手や腕の使い方を学んでいる

  • 物の動きや重さを体で感じている

  • 「自分が動かしたら、世界が変わった」という体験をしている

こうした体験は、
思考力・空間認知・主体性の土台にもつながっていきます


✅ 正しい関わり方|やめさせる前にできる工夫

⭕ 安全に投げられる環境をつくる
・やわらかいボール
・屋外でのびのび遊べる時間
など、「投げてもいい場所・物」を用意する

⭕ “投げたい欲”を先に満たす
・キャッチボール
・玉入れ
・新聞紙を丸めて投げる
など、欲求を発散できる遊びに置き換える

⭕ 禁止だけで終わらせない
・「こっちなら投げていいよ」
と、行動の方向を変えてあげる


⚠️ 逆効果になりやすい関わり方

❌ すべてを頭ごなしに禁止する
❌ 何度も同じ注意を繰り返す
❌ 「わざとでしょ?」と決めつける

これらは、
✅ 行動をやめさせる
というよりも、
❌ 反発やストレスを強めてしまう
ことが多くなります


投げる・崩すは「迷惑」ではなく「学びの入り口」

物を投げる、ひっくり返すという行動は、

  • 世界の仕組みを知る

  • 自分の力を確かめる

  • 注目される喜びを知る

という、大切な“育ちのステップ”でもあります

危険だけをしっかり減らしながら、
「ダメ」で終わらせず、学びにつなげていく関わり方を
大切にしていけたらいいですね


✅ 次回は
第3話「ツバを“ブーッ”・鼻ほじり——大人が困る感覚あそび」
をお届けします


園あるある困りごとシリーズ|全4話

この【園あるある困りごとシリーズ】では、
行動の背景と、叱らずに育てる関わり方を、やさしく解説しています

育児や支援のヒントとして、ぜひ読んでみてください

子どもの「困った行動」は、すべて育ちの途中にあります
気になるテーマから、ぜひあわせてご覧ください

▶︎ 第1話:噛む・叩く —— まだ言葉で伝えられないときのサイン
▶︎ 第2話:物を投げる・ひっくり返す —— 遊び?それとも反抗?
▶︎ 第3話:ツバを“ブーッ”・鼻ほじり —— 大人が困る感覚あそび
▶︎ 第4話:服をめくる・体を触る —— 境界線を学ぶ大切な時期