🌸ことばが “まだ” 出ないだけ——その子の「伝えたい気持ち」を見つめて
「うちの子、発語が遅れていて……」
「保育園で周りの子たちみたいに、気持ちをことばで伝えられないと、本人が困る場面も多くて……」
あるママが、そんな想いを打ち明けてくれました
その声の中には、
「なんとかしてあげたい」
「ことばで自分を守れるようになってほしい」
そんなあたたかい願いがにじんでいました
🍀ことばの“芽”は、静かに力を蓄えている
ことばは、「急に話し出す」わけではありません
実は、話す前に育っていく “ことばの土台” が、たくさんあるんです
たとえば、こんな姿が見られていませんか?
-
指さしで「これだよ」と伝えている
-
表情で「イヤ」「うれしい」を表現している
-
音や声にしっかり反応している
-
身振りやジェスチャーで伝えようとしている
これらはすべて、「伝えたい気持ちがある」「やりとりをしたい」という大切なサインです
そしてそれは、ことばが出る直前に育ってくる力でもあります
🌈伝わる体験が、「話してみたい」気持ちを育てる
私たちの事業所では、
「まず伝えたいと思える」「伝わるってうれしい!」
そう感じられる体験を、日々のあそびや関わりの中で大切にしています
たとえば——
-
絵本の中で、登場人物の気持ちを一緒に感じてみる
-
自分で選べる場面(おやつやおもちゃ)で「伝える喜び」を感じてもらう
-
指さしや身振り、声のトーンなどを “伝わった” という形で返してあげる
ことばが “まだ” の時期でも、「伝えたい」気持ちを育て、「伝わった」体験を重ねることが、ことばの力を静かに後押ししていきます
💬保護者の方のその気持ちも、ちゃんと伝わっています
「ことばが出ないまま大きくなってしまったら……」
「周りと比べてつい不安になる」
そんなお気持ち、きっとたくさんの保護者の方が感じています
でも、子どもたちはちゃんと感じています
大人が自分のことを気にかけてくれていること。信じて、待ってくれていること。
お母さんの「なんとかしてあげたい」という気持ちが、もうすでに、その子を包みこんでいます
🕊いまの“その子のペース”に、寄り添う支援を
当事業所では、現在言語聴覚士は在籍していませんが、心理師や他の療育機関と情報をしっかりと共有し、つながりながら支援を進めています
その子の「いま」の姿に丁寧に目を向け、“ことばの準備が整っていく過程” を大切に見守っていく。そんな支援を、チームで心を込めて行っています
🍃さいごに
「ことばが遅れている」ではなく、
「その子のペースで、ことばが育っている途中なんだ」——
私たちは、そう捉えています
焦らなくて大丈夫。今、その子の中にはちゃんと力が育っています
ママが見てきた姿も、ぜんぶ、つながっています
一緒に見守っていきましょう
あせらずに、でも確かに、歩んでいる子どもたちの毎日を