※本記事は現時点で公表されている情報および現場視点からの解釈をもとに整理しています。
なお、本記事で扱う「2026年改定」は、令和8年度障害福祉サービス等報酬改定(診療報酬・介護報酬との同時改定を含む)を指しています。
最終的な制度の詳細については、今後の正式通知をご確認ください。
■ はじめに
先日公開した代表インタビューの記事の中で、
「このあたりの話は、またどこかのタイミングで、きちんと言葉にできたらと思っています」
とお伝えしました
👉ブルバが聞く、Blue Birdの人たち|代表に聞く「支援って、誰のためのものなんですか?」
今回はその続きとして、
2026年の改定(いわゆるトリプル改定)を背景に、
「支援の質」について考えていきます
■ 今回の改定の本質
今回の改定を一言で表すと、
「支援の質の可視化」
だと感じています
ただ、この言葉は
「記録をしっかり書くこと」
のように受け取られがちです
しかし、私たちはそうは考えていません
■ 可視化とは「意味を説明できること」
本当に求められているのは、
「その支援にはどんな意味があったのか」を説明できることです
ポイントは、
記録の量ではないという点です
・ねらいと結果のつながり
・子どもの状態理解
・支援の再現性
・関わりのプロセスの質
これらを説明できるかどうか
つまりこれからは、
「成果が出る事業所」だけでなく、
「説明できる事業所」であるかどうかが問われます
言葉で説明できなければ、
その価値は外からは見えません
うまくいかなかった場面であっても、
それを分析し、次に活かせているかどうか
こうした違いは、具体的な場面を見るとより分かりやすくなります
例えば、子どもが癇癪を起こした場面
単に「癇癪があった」と記録するだけでは、
支援の質は見えてきません
癇癪という行動も、
単なる問題行動ではなく、
困っているサインとして捉えることが重要だとされています
👉https://note.com/mild_ixia3367/n/n92872afd9ebe
さらに、強い感情の中にあるとき、
子どもは "考える力" が働きにくく、
言葉が届きにくい状態になるとも言われています
これらは ダニエル・ゴールマン の 情動脳理論 でも説明されていて、
いわゆる "ハイジャック状態" ですね
だから、
「落ち着いて話そう」は正しいけど通じない
だからこそ必要なのは、
・なぜその行動が起きたのか
・どんな背景があったのか
・どんな関わりをしたのか
・その結果どうなったのか
こうした "プロセス" を捉える視点です
そこにこそ、支援者の専門性が表れます
■ 「うまくいかなかった場面」の価値
今回の改定で、もう一つ大きな変化があります
それは、
「中身そのものが問われる時代」になってきています
つまり、
うまくいかなかった場面に、
どんな意味を見出せるかが問われるということです
現場では、
まず安全を確保し、落ち着くのを待ち、
その後に関わるというプロセスが重要とされています
👉https://note.com/kosodate_iyashi/n/ne43c77c804fc
(※感情が高まっているときの関わり方についての参考)
また、子どもが落ち着けるかどうかは、
日々の安心感の積み重ねにも大きく影響します
👉https://note.com/mie_3koekake/n/nc41c6786672b
(※安心できる関係性が土台になるという視点)
つまり、
結果だけでなく、そこに至る過程そのものが支援である
という考え方です
ジョン・ボウルビィ の 愛着理論 では
安心できる関係性があることで
子どもは自分を整える力を育てる
とされています
つまり
「うまくいったかどうか」より
「どう一緒に過ごしたか」が大事
■ これまでの発信とのつながり
私たちはこれまで、
・注意する前に立ち止まること
・行動の意味を考えること
・「できないときにどうするか」を大切にすること
一貫して、この視点で発信を積み重ねてきました
👉「注意しないとダメ?」と思ったときに、大人ができるもう一つの選択
👉「困った行動」ではなく「心の叫び」として受け取る
👉 No rules, just creativity|新しい遊具で育つ子どもの「創造力」と「挑戦」
これらの発信に共通しているのは、
行動の裏にある意味を考える支援です
また、日々の環境や関わりの積み重ねが
支援の質に直結するという視点も大切にしてきました
こうした一連の考え方は、
今回の改定の方向性と重なる部分が多いと感じています
■ 私たちが大切にしていること
私たちは、
「できることを増やす」だけでなく、
「できないときにどうするか」を大切にしています
それは、
うまくいかない場面こそが、
子どもにとっても、支援者にとっても、
大切な学びの機会になると考えているからです
目の前の子どもにとって何が必要かを考え、
その時間に意味を持たせようとしてきたこと
その積み重ねが、
今の支援の形につながっています
■ これからの支援に必要なこと
これからの時代は、
「いい支援をしている」だけではなく、
「いい支援を説明できること」が求められます
支援の質の可視化とは、
評価のためのものではなく、
子どもたちの変化を見逃さないための視点であり、
私たち自身の支援を問い続けるための手段です
制度はこれからも変わっていきます
しかし、
目の前の子どもと、どう向き合うか
その本質は、これからも変わりません
これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、
これからも一つひとつの支援に向き合っていきたいと思います
■ まとめ
今回の2026年改定は、
「支援の質を見える形にする時代への転換点」です
そしてそれは、
新しいことを始めるというよりも、
これまで大切にしてきたことを、
きちんと言葉にしていくこと
それが求められている変化なのかもしれません
