暑い日が続くと、
なんとなく機嫌が悪い
すぐ怒る
いつもより癇癪が激しい
そんな経験はありませんか
「暑いから仕方ない」
で終わらせてしまいがちですが、
実は、
暑さは子どもの身体だけでなく、
自律神経にも大きな負担をかけています
今回は、
暑さと癇癪の関係について、
子どもの身体の仕組みから考えてみたいと思います
子どもは大人より熱がこもりやすい
子どもは、
体温を調節する仕組みがまだ発達途中です
汗をかく力も、
身体の熱を外へ逃がす力も、
大人ほど上手ではありません
そのため、
同じ気温でも、
身体の中には熱がたまりやすくなります
身体が暑いと、脳も忙しくなる
体温を一定に保つ仕事は、
脳の「視床下部」が担当しています
▶MSDマニュアル家庭版「脳」
このページでは視床下部について、
「睡眠と覚醒のコントロール、体温の維持、食欲とのどの渇きの調節、隣接する下垂体のホルモン活動のコントロールなど、比較的自動的な体の機能を調整します。」
体温だけでなく、
睡眠
食欲
自律神経
感情
なども調整している司令塔のような場所です
暑い日には、この司令塔が、
体温を下げるために、24時間休まず働き続けます
その負担が大きくなると、
感情をコントロールする余裕まで少なくなってしまいます

「怒っている」のではなく、「余裕がない」
暑さが続くと、
身体は
「なんとか熱を逃がそう」
と働き続けます
すると、
交感神経が優位になり、
身体は緊張状態になります
そこへ
眠い
お腹が空いた
音がうるさい
思い通りにならない
という刺激が重なると、
普段なら受け止められる出来事でも、
一気に限界を超えてしまうことがあります
癇癪は、
「わがまま」
ではなく、
身体と脳が限界だった
という見方もできるのです
だから「落ち着きなさい」は難しい
大人でも、
38℃近い炎天下で、
汗だくになり、
頭がぼーっとしているときに、
「落ち着いて考えて」
と言われても難しいでしょう
子どもは、
それを毎日、
言葉で説明できないまま経験しています
だからこそ、
行動だけを見るのではなく、
身体の状態を見ることも大切です
身体を冷やすことも支援になる
癇癪が増えているときは、
「気持ち」の問題だけではないかもしれません
では、家庭ではどんなことができるのでしょうか
暑さそのものをなくすことはできません
でも、身体への負担を少し減らすことで、自律神経が働きやすい環境をつくることはできます
今日からできる工夫をいくつかご紹介します
① まずは水分補給
子どもは大人より汗をかきやすく、
体の水分も失われやすくなります
普段の水分補給は、
「癇癪を止めるために水を飲む」のではありません
身体が働きやすい状態を整えることが、結果として気持ちの安定にもつながります
水や麦茶がおすすめです
特に、麦茶はカフェインを含まず、ミネラルも補給できます
一方、
スポーツドリンクは、
大量の汗をかいたときや発熱時などには役立ちますが、
日常的に飲み続けると糖分の摂り過ぎにつながることもあります
まずは、
こまめに水や麦茶を飲む習慣を意識するとよいでしょう
② 汗をかいた服は着替えた方がいい?
汗には、
蒸発するときに身体の熱を奪う
「気化熱」という働きがあります
そのため、
少し汗ばんでいる程度なら、
汗が乾くことで身体を冷やす助けになります
しかし、
服がびっしょり濡れてしまうと、
汗が蒸発しにくくなり、
逆に熱がこもりやすくなることがあります
また、
肌への刺激やあせもの原因にもなります
汗をたくさんかいた後は、
吸湿性・通気性のよい綿などの天然素材へ着替えることもおすすめです
③ 首や脇を冷やす
身体の中には、
太い血管が通る場所があります
首、
脇の下、
足の付け根 などです
ここを冷やすことで、
流れる血液が冷え、
身体の熱を効率よく下げることができます
保冷剤をタオルで包んだり、
冷たいタオルを当てたりするだけでも十分です
④ 濡れタオルで拭くのも効果があります
汗や熱がこもっているときは、
濡れタオルやウエットタオルで身体を拭くことも役立ちます
水分が蒸発するときに熱を奪う
「気化熱」の働きによって、
体温を下げる助けになります
その後、
自然な風や扇風機の弱い風が当たると、
さらに熱が逃げやすくなります
ただし、
冷たい風が苦手なお子さんもいます
無理に風を当てるより、
その子が心地よく過ごせる方法を探すことも大切です
⑤ 帰宅後すぐにおすすめなのは…
保護者の方から、
「家に帰ってから何をすればいいですか?」
と聞かれたら、
私はこんな順番をおすすめします
- 靴と帽子を脱いで涼しい場所へ入る
- 水や麦茶を飲む
- 汗を拭く・必要なら着替える
- 少し休んで身体を落ち着かせる
- そのあとに遊びや宿題を始める
「帰ったらすぐ宿題」ではなく、
まず身体を回復させる時間をつくるだけでも、
夕方のイライラが減ることがあります
こうした工夫だけでも、
身体への負担が減り、
結果として気持ちも落ち着きやすくなることがあります
「涼しくする」ことと
「快適に過ごせる」ことは、
必ずしも同じではありません
まとめ
癇癪は、
心だけの問題ではありません
身体の状態、
睡眠、
空腹、
暑さ、
疲れ、
そうした様々な要因が重なって起こります
だからこそ、
「どうして怒ったの?」
よりも、
「今日は身体は大丈夫かな?」
という視点を持つことも、
子どもを理解する大切な一歩になるのかもしれません
※この記事は、日常生活の中での暑さと子どもの身体の関係について一般的な情報をまとめたものです。症状が強い場合や熱中症が疑われる場合は、医療機関を受診してください。