子どもの可能性を広げるために——性別だけで決めつけない関わりを考える

「これやってみたい」

「これ好き」

子どもたちは、日々たくさんの "好き" や "興味" を見つけながら成長していきます

 家庭でもない。
 学校でもない。

子どもたちには、もう一つ、大きな影響を受ける場所があります

私たちBlue Birdは、その場所を「第三の共育現場」だと考えています

この言葉については、昨年のブログ
  「来年に向けて──第三の“きょういく”現場を育む」
でもお伝えしました

子どもは、日々の関わりの中で、
大人の言葉や態度、人との接し方を見ながら育っていきます

「男だから」
「女だから」

そんな言葉を、子ども自身が強く意識しているわけではありません

大人にとっては何気ない言葉でも、
子どもにとっては「社会の当たり前」として少しずつ積み重なっていくことがあります

1999年に施行された
  「男女共同参画社会基本法(内閣府)」
では、「性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会」が掲げられました

近年では、SDGsでも「ジェンダー平等」が取り上げられるなど、
このテーマは社会全体で考えられるものになっています

しかし、本当に大切なのは、言葉や概念そのものではありません

子どもが、自分の力を信じて、
自分のやりたいことに挑戦しながら生きていけること

そして、自分も相手も大切にしながら、
対等な関係を築いていけること

私たちBlue Birdは、
子どもの可能性を性別だけで決めつけるのではなく、
その子自身の「好き」や「やってみたい」という気持ちを大切にしていきたいと考えています

子どもの "らしさ" を大切にする関わりこそ、
子どもの可能性を、伸びやかに育てていく土台になる

私たちは、そう考えています

そしてその考え方は、
ジェンダーフリー教育の本質とも、
重なる部分があるのかもしれません


学校現場でも広がる「性別だけで決めつけない」取り組み

近年、学校教育の現場でも、
「性別によって役割や選択肢を固定しない」という考え方が、少しずつ広がってきています

たとえば、

 ・男女を分けない「男女混合名簿」の導入
 ・「○○くん」「○○ちゃん」ではなく、「○○さん」と呼称を統一する動き
 ・制服をスカート・ズボンから自由に選べる学校
 ・男女別ではなく、個人差に配慮した整列や活動
 ・家庭科や技術科など、性別によるイメージを固定しない授業づくり

など、学校ごとにさまざまな工夫が行われています

もちろん、地域や学校によって考え方や取り組み方には違いがあります
また、「すべてを同じにすること」が目的ではありません

それでも、「男の子だから」「女の子だから」という理由だけで、
子どもの可能性や選択肢を狭めないようにしようという考え方は、
少しずつ社会全体に広がってきているように感じます


また、「性別」や「ジェンダー」というテーマには、さまざまな考え方があります

 身体的な違いについての考え方。
 役割についての価値観。
 子育てや教育に対する思い。

それぞれの立場によって、感じ方が異なる部分もあるかもしれません

私たちは、「男女の違いをなくすこと」や、「すべてを同じにすること」を目的にしているわけではありません

また、一つの価値観を押しつけたいとも考えていません

大切にしたいのは、性別だけを理由に子どもの可能性や選択肢を狭めないこと
そして、子ども自身が「自分らしくいていい」と感じながら成長していける環境を考え続けることです

幼児期のジェンダーフリー教育が大切な理由

幼児期は、「自分」という存在が少しずつ育っていく大切な時期です

とくに3歳頃になると、

「自分でやりたい」
「これは好き」
「これはイヤ」

といった気持ちが強くなり、自我の基礎が形づくられていきます

同時に、子どもは周囲の大人の言葉や関わり方をよく見ています
大人が何気なく使う言葉も、子どもにとっては「社会のルール」として少しずつ吸収されていきます

だからこそ、この時期に
性別だけを理由に可能性や役割を決めつけすぎないことは、とても大切だと考えています

ジェンダーフリー教育によって期待できることの一つは、
子ども自身が「自分らしくいていい」と感じられることです

自分の好きなことや興味を否定されずに受け止めてもらえる経験は、
自己肯定感や自我の発達につながっていきます

また、「自分も大切にしていいし、相手も大切にしていい」という感覚は、
人との関わり方にも影響していきます

性別によって役割を決めつけるのではなく、
互いを尊重しながら関わる経験は、社会性や思いやりの土台にもなっていきます

そしてもう一つ大切なのは、
子どもの「やってみたい」という気持ちを、性別によって狭めないことです

興味を持ったことに挑戦し、
好きなことを楽しみながら経験を広げていくこと

その積み重ねが、将来の可能性を広げていくのだと思います

私たちは、幼児期という "自我の土台" が育つ時期を大切にしながら、
子どもたちの心を、できるだけ伸びやかに育てていきたいと考えています


家庭でできるジェンダーフリー教育とは?

「ジェンダーフリー教育の大切さはわかったけれど、実際には何をすればいいのだろう?」

そう感じる方もいるかもしれません

私たちは、特別なことを急に始める必要はないと考えています
大切なのは、子どもの日々の「好き」や「なんで?」に、大人がどう向き合うかです

幼児期の子どもは、

「なんで?」
「どうして?」

と、たくさんの質問を繰り返します

それは、周囲の世界への好奇心が育っている証でもあります

以前の記事
  「子どもの『なんで?』を、急いで片づけてしまわないために」
でも触れたように、私たちは "答えを与えること" 以上に、"一緒に考え続けること" を大切にしています

子どもは、大人の言葉や態度をよく見ています

とくに、家庭や身近な大人との関わりの中で、
「人との接し方」や「自分らしさ」を少しずつ学んでいきます

たとえば、子どもが好きな遊びや色、服装に興味を持ったとき、

 「男の子なのに」
 「女の子なんだから」

という言葉で可能性を狭めるのではなく、

「それが好きなんだね」
「いいね」

と気持ちを受け止めること

その経験は、
「自分の気持ちは大切にしていいんだ」
という安心感につながっていきます

また、子どもは大人同士の関わり方もよく見ています

 家事や育児を、どちらか一方だけが担うのではなく、
 お互いに助け合いながら生活していく姿

 相手を否定するのではなく、
 対話しながら関係を築いていく姿

そうした日常の積み重ねから、
子どもは「人との関わり方」を学んでいきます

もちろん、家庭の形はそれぞれ違います

だからこそ大切なのは、"正しい形" を目指すことではなく、
子どもが「自分も相手も大切にしていい」と感じられる関わりを増やしていくことなのかもしれません

私たちBlue Birdも、「第三の共育現場」として、
子どもたちが安心して "自分らしさ" を育てていける関わりを、これからも大切にしていきたいと考えています


まとめ|子どもの可能性を広げるジェンダーフリー教育

この記事では、幼児期の子どもたちへのジェンダーフリー教育について、さまざまな視点から考えてきました

この先、社会全体で「ジェンダー平等」や「ジェンダーフリー」という言葉を耳にする機会は、さらに増えていくかもしれません

しかし、本当に大切なのは、言葉や概念そのものではなく、「子どもの未来」です

子どもが、自分の力を信じて、
自分のやりたいことに挑戦しながら生きていけること

そして、自分も相手も大切にしながら、対等な関係を築いていけること

私たちは、その土台を育てていくことが、ジェンダーフリー教育の大切な役割の一つだと考えています

幼児期の子どもは、まだ自分だけで選択できることが多くありません

 どんなおもちゃで遊ぶのか。
 休日にどこへ出かけるのか。
 どんな習い事をするのか。

その多くは、大人が選び、決めていきます

だからこそ大切なのは、性別だけを理由に子どもを見るのではなく、その子自身の興味や気持ちに目を向けることなのかもしれません

子どもの性格や個性を、一番近くで見ているのは親や身近な大人です

 「これが好きなんだね」
 「こういうことに興味があるんだね」

と、自分の気持ちを受け止めてもらえる経験は、子どもにとって大きな安心感につながっていきます

それは、ほしいおもちゃを買ってもらうことや、楽しい場所へ連れて行ってもらうこと以上に、

「自分を理解してもらえた」
「自分を見てもらえている」

と感じられる、とても大切な経験なのだと思います

幼児期は、自我や自己肯定感、社会性の基礎が育つ大切な時期です

だからこそ、子どもの「好き」や「やってみたい」という気持ちを、性別だけで狭めないこと。
そして、大人自身も「当たり前」を少し立ち止まって見つめ直してみること。

その積み重ねが、子どもの可能性を、より伸びやかに広げていくのかもしれません

大きく変えようとしなくても大丈夫です

日々の言葉がけや関わり方の中で、
「男の子だから」
「女の子だから」

ではなく、

「この子は、どんなことが好きなんだろう」
「どんな時に安心するんだろう」

と、その子自身に目を向けてみる

そんな小さな積み重ねの中で、
子どもたちは「自分らしくいていいんだ」という安心感を育んでいきます

私たちが大切にしたいのは、
「男の子らしさ」「女の子らしさ」を教えることではなく、
その子自身の "らしさ" に目を向けることです

子どもたちは、一人ひとり違います

好きなことも、
苦手なことも、
安心できる関わり方も違います

だからこそBlue Birdは、
性別という枠だけで子どもを見るのではなく、
その子自身を理解しようとする支援を、これからも大切にしていきたいと考えています

では、「男女」という違いがより強く意識される場面では、どのように考えていけばいいのでしょうか

次回は、
「逆転スペクトル Chapter6|男女『性・ジェンダー・スポーツ』」をテーマに、もう少し踏み込んで考えていきます